ー元大学病院職員である20代社会人の医療や福祉に関する備忘録ー

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様々な疾患に対して異常値を示す「CRP」とは

今回は、幾つも存在する血液検査の項目の中でも汎用性が高く、身体の異常を分かりやすく示してくれる「CRP」という値について解説していきます。


CRP」とは何か

CRP(正式名称はC反応性蛋白)は、炎体内で炎症や組織の破壊が起きている時に血中に現れるタンパク質の一つです。血液検査において一般的に計測されます。

CRPの特徴として、炎症や細胞破壊・損傷後、24時間以内に急激に血液中で上昇し、炎症が収まると正常値に戻ります。

CRPは、所謂“疾患特異性”がなく、様々な疾患で血中量の上昇が認められる為に、どんな疾患なのかを特定することはできませんが、CRPの値が高ければ身体に炎症反応があることは分かります。

CRPが異常置を示したらさらに詳細な検査を

CRPの数値が上がっている時は何らかの感染症に掛かってていることが多く、細菌やウイルスによる感染症などが疑われます。

ただし、CRPだけではどの臓器に炎症があるのかは判断できないため、他の検査項目の結果を含めて総合的に判断したり、再度血液検査を行った上で依然として数値が高い場合や上昇傾向にある場合は精密検査を行うことが勧奨されます。

基準値

CRPの基準値は一般的に以下の通りです。

一般的にCRPが5.0~10.0 mg/L(0.5~1.0 mg/dL)の範囲内の場合は軽度の(症状疾患)炎症・感染の可能性が示唆され、CRPが10.0 mg/L(1.0 mg/dL)を超えると、臨床的に明らかな急性期反応が起こっていると考えられます。30を超えたら生命の危機が訪れていると言えます。

正常範囲 0.3 mg/dl以下
軽い炎症などが検討される範囲 0.4〜0.9
中程度の炎症などが検討される範囲 1.0〜2.0
中程度以上の炎症などが検討される範囲 2.0〜15.0
重体な疾患の発症の可能性が検討される範囲 15.0〜20.0

CRPが高値を示す疾患

CRPは、感染症、関節リウマチ等の自己免疫疾患、怪我や手術の後などに、血液中のCRP上昇が認められる。一方で、組織や細胞の破壊が起きた時にも上がる為、心筋梗塞脳梗塞、がんでもCRPが上昇します。

感染症(細菌性・一部のウイルス性など)
自己免疫疾患(関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、成人発症Still病など)
悪性腫瘍
外傷
心筋梗塞狭心症では数値はさほど上がらないとされる。
その他、炎症を起こす疾患(胃炎・腸炎など)。

引用・参考サイト:
C反応性蛋白 - Wikipedia
検査値の達人 - C反応性タンパク(CRP:C-reactive protein) | キャリタス看護


病気がみえる vol.5: 血液

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