ー元大学病院職員である20代社会人の医療や福祉に関する備忘録ー

元大学病院職員の20代男子が医療や福祉の事を発信するブログです。

病院内での他科依頼(コンサルト)について

臨床現場でのコンサルテーション

電子カルテ上で操作入力を行う為、学生時代に具体的なコンサルトの仕方を学ぶ機会は殆ど有りませんが、臨床の場でのコンサルテーションは「御高診」や「他科診察依頼」などと呼ばれたりしていて、自分の担当診療科や専門ではない疾患や各種問題を抱える患者さんについて、院内の他科の医師や他部署へ依頼をして診てもらう為に行われている医療機関の業務の一つでもあります。

他科コンサルトを依頼する場合

他科の専門的な診察が必要な疾患であったり、複数診療科に併診している場合や救急外来を受診した患者で専門の診療科に繋げる際、入院患者について他科へ診療を依頼する際などにコンサル依頼を出す必要性が生じてきます。
特に担当する専門の診療科ではない患者を診療する場合ー「腰痛→整形外科を受診したが、本当は急性大動脈解離」ーなど、主な症状から想定される病気でない時には、専門の先生に診てもらうまで繋ぐスキルとして適切なコンサルトを実施する力は医師にとって重要な能力だと思います。

コンサルテーションの流れ

コンサルト事の大凡の流れとしては、先ずは電話で連絡を入れ(電話を省略する場合も結構多い)、カルテ上でコンサルの依頼を出して、他の適切な診療科や部署に繋げていきます。

主なコンサル内容として、私が大学病院で良く目にしたのは、糖尿病内科へ血糖コントロールを依頼したり、腎臓内科に透析フォローを依頼したり、身体疾患で入院中の患者さんに精神症状が現れた場合などがありましたが、実際には他にも数え切れないほど様々なパターンのコンサル依頼があります。

コンサルトの文書や形式

大体、コンサル依頼の文章はファーマットが決まっていて下記の様な感じです。格式的な文章が多く、医療業界に特有な表現・形式に慣れるまでは少々大変ですが、丁寧かつ明瞭な依頼を出した方が、他科からコンサルトを受けた側も快く応じられ、その後の対応もスムーズにいき易くなる気がしますので、しっかりとした依頼文を書く事はとても重要だと考えます。

病名
#1 主病名
#2 他科疾患(コンサルする診療科の病名or症状)(〜の疑いと表記する場合もある)
#3 合併症・既往症1

挨拶文
「平素より大変お世話になっております。」
「平素より格別のご高配を賜り誠に有難う御座います。」

症例の要約
例文1(その科を初めて受診する場合)
「#1に対する◯◯目的に○月×日当科入院となった患者様です。この度、#2に対する精査目的に貴科的ご高診の運びとなりました。」

例文2(他科の受診歴がある場合)
「#2にて以前より貴科外来フォロー中の患者様です。この度、#1増悪の為に○月×日当科入院となりました。」

精査・診断・検査・治療・処置・投薬内容の確認等のコンサルトする目的
「(採血や画像検査結果の所見)から、△など貴科的疾患の可能性も考慮(検討)しております。つきましては貴科的ご高診頂ければ幸いです。」

結び
「ご多用の折、大変恐縮では御座いますが、ご高配の程宜しくお願い致します。」

参考サイト:
resident.mynavi.jp